江戸絵画の華 <第1部>若冲と江戸絵画展(出光美術館)

気になっていた江戸絵画の美術展。
第1部の最終日、入場予約が取れたので出光美術館に行ってきました。

日比谷駅で降りて地上に出てからグーグルマップのナビを頼りに歩きましたが
どうも通り過ぎてしまう、、「おかしいな・・」と思って
キョロキョロと見渡すと入口が地味で気が付きませんでしたが
出口から出てすぐの大きなビルでした。(帝劇ビル!)

 

この入口からエレベーターで9Fに上り展示スペースへ

 

入口で係員の方とお客様が話しているのが聞こえてきましたが
入場は予約制のみで予約が無いと当日直接行っても入れないようでした。

私は前々日くらいに予約枠が一か所だけ空いているのを発見し
予約が取れたのでラッキーだったようです。

 

会場入口に設置のパネル

 

会場は人が少なく、ゆったりと観覧できました。
展示品以外の場所は照明を少し落としているので
絵画が浮かび上がってとても見やすかったです。

特に印象に残ったのは

・「十二か月花鳥図押絵貼屏風」狩野貴信・狩野立信・狩野探美

・「牡丹に唐獅子図屏風」水上景邨  
 (初めて見ましたが唐獅子の迫力が凄かったです。)

そのほか伊藤若冲水墨画が沢山ありましたがとにかく感嘆しました。
若冲といえば大胆で奇想天外、精密で驚異的な描写を思い浮かべますが
シンプルな水墨画の上手さ、少ない線の中でも筆遣いが自由自在で
技法をきっちり使い分けていて本当に凄いと思いました。

目の保養になりました。

 

http://idemitsu-museum.or.jp/

 

行きたい美術展

気が付けば新しい年が明け、気が付けばもう2月・・・
筆不精で、さらに寒い冬は出不精にもなり
コロナ渦から始まった「予約制」が更にハードルを上げてくれまして
気になる美術展をいくつ見送った事でしょう。
全部制覇は難しいとして近いうちに行ってみたい美術展をピックアップ。
早く暖かくなってほしいです。

 

   〈第1部〉若冲と江戸絵画 2023年1月7日(土)~2月12日(日)
   〈第2部〉京都画壇と江戸琳派 2023年2月21日(火)~3月26日(日)

  やはり江戸絵画は外せません。

idemitsu-museum.or.jp

   会期:2022年12月8日(木)~2023年2月26日(日)
   開館時間|10:00-22:00(最終入館は21:00まで)

  ユーミン、好きです。色々な音楽を聴いてもやっぱり自分の原点という感じ。

  入館21時までなら仕事帰りに行けそう。

yumingmuseum.jp

   会期    2023年1月26日~4月9日
   会場    東京都美術館

 何年か前にクリムトの展示と共に見て、繊細な印象を受けた記憶。

www.egonschiele2023.jp

   開催期間:2023年3月17日(金)~4月9日(日)

  去年、この春祭りのオンラインイベントの対話型鑑賞に参加して
  面白かったのと、イベント参加の記念品?で
  オリジナル缶バッチをもらいに美術館に足を運びました。
  桜や春にちなんだ作品が沢山あって、とっても綺麗だったので今年も!

 https://www.momat.go.jp/am/exhibition/springfest2023/

 

      開催期間:2022年12月21日(水)- 2023年5月28日(日)

  以前「ディオールとわたし」というドキュメンタリー映画を観て
  とても感動したので彼らの作品を是非実物で観てみたい。

www.mot-art-museum.jp

  • 若冲と一村  ― 時を越えてつながる ―

   開催期間:2022年12月25日(日)~2023年6月4日(日)
   会場 :岡田美術館 (神奈川県足柄下郡箱根町

 いつも圧倒される伊藤若冲はもちろん好きですが、田中一村
 この方の作品の色使いが素敵で以前から気になっています。
 箱根。行ってみたいなぁ。。

www.okada-museum.com

さて、いくつ行けるでしょうか。

 

企画展「線は、僕を描く at 百段階段 ~色彩空間で観る水墨画の世界~」

映画「線は、僕を描く」を観てきた記事を書きましたが、ホテル雅叙園の「百段階段」という東京都の指定文化財にもなっている施設でこの映画に関連した水墨画の企画展が開催中だったので丁度近くに予定もあり先日足を延ばして行ってきました。

www.hotelgajoen-tokyo.com

レストランの案内と共に企画展のポスターも貼ってある

 

ホテル雅叙園へは初めて行きましたが歴史あるホテルというだけあって色々と凄いんですね。まず1Fから「百段階段」のある3Fにエレベーターで上がるのですが、そのエレベーターがそれはもう豪華で。そして「百段階段」自体が木造の古い建物なのですが天井や壁に描かれた絵画が盛り沢山で水墨画をみる前から驚きでした。

中には鏑木清方がまるごと天井画などを手掛けた部屋もあり、今回の展示を見なくてもおなか一杯になるくらい沢山の絵画がありました。

上まで連続する天井画

各部屋の天井にも絵がずらり

いたるところに絵画

これでもかこれでもかと美しい作品が沢山


さて本題の企画展ですが映画の中で描かれていた作品の実物があって、とても親しみを持ってみることができました。やっぱり本などの写真やパソコンだと墨の濃淡や大きさがわかりにくいので実物を見るのがいいですね。
ほとんどの作品が写真撮影可能でしたのでバッシャバッシャと撮りました。

大きな作品 落款が手形

部屋の再現
半紙のシワシワに勝手に親近感が湧きます

映画の中で使われた作品の他にも水墨画監修の小林東雲先生、原作の砥上裕將さんの素敵な水墨画の作品も数多く展示されていたのでかなり見応えがありました。

 

見応えのあった素敵な作品の後ではありますが、以下は水墨画1年生のわたしが描くとこんな感じです。

藤袴

アルストロメリア

気長に描き続けます!

映画「線は、僕を描く」

これまで映画はAmazonプライムやDVDで観ることが多かったのですが久々に映画館に行って大きなスクリーンで映画を観てきました。

今年の夏頃から私は水墨画を習い始めたのですが、水墨画が題材になっている映画が公開されるという事と、この映画の水墨画を監修している小林東雲先生の本を持っているので(たった1冊ですが!)なんとなく親しみを感じた事、それから出演されている俳優陣が実際に水墨画の指導を受けたという記事を読み、是非観たい!となりました。

 

senboku-movie.jp

観てきた感想はというと、面白かったです。


江口洋介さんの役がカッコいい美味しい役回りでしたが、三浦友和さんも年季の入ったいい味を出してました。勿論主演の横浜流星さんや清原果耶さんの若くて繊細なアーティストらしさもとても良かったです。沢山出てくる水墨画の作品が素敵なのと描いている最中の筆の動かし方を観ているのも楽しかったです。


主人公が部屋中半紙に描いた作品に埋もれながら次々と描き続けているシーンでは「ああ、やっぱり枚数重ねないといけないなー」と思ったり、置いてある道具に着目したり、ストーリー以外の見どころも(私にとっては)満載でした。

 

時間をかけて修正しながら描いていく油絵や水彩画とは違って水墨画は下書き無しの一発勝負。とにかく何枚も何枚も練習をするのですが、墨の薄め方や紙の質、筆の速さによっても墨色やにじみ方が全然変わってくるので奥が深くて面白いです。
なかなか思ったようには描けないな、、と、へこみ気味でしたがやっぱり水墨画やりたい!と思えた映画でした。

 


www.youtube.com

 

 

展覧会 岡本太郎(東京都美術館)

東京都美術館で開催中の「展覧会 岡本太郎」に行ってきました。

土曜日でしたが正午頃だったこともあり、混雑もなくゆったり鑑賞できました。

taro2022.jp

 

岡本太郎さんと言えば子供の頃、テレビで「芸術は爆発だ!」などと言っている変わったおじさん?大阪の「太陽の塔」を作った人、程度の認識しかなかったのですが、ここ最近になって彼の絵画作品を目にする機会があり、何とも言い難い、どう捉えたら良いのかわからない作品群をこの目で見ようと行ってきました。

まず、会場入口で上からぶら下がる作品「光る彫刻」、その下の目線の先には頬杖をついた丸い顔の「若い夢」。ここでもう圧倒されました。

「光る彫刻」(上) 、「若い夢」(右下)

「森の掟」

どう言ったらよいのか、、、前衛的?うまく当てはまる言葉が見つかりませんが、本当にすごい、というか凄まじい。

岡本太郎さんの言葉で「芸術は美しくあってはならない、心地良くないものが芸術」のような感じの事があったと思います。確かに綺麗なものでは決してない、じっと眺めているとガラスに爪を立てて「キィーキィー」と不快な音を聞かされたような、背中がザワザワして居心地の悪くなるような作品ばかりでした。でもそれこそが岡本太郎さんの芸術なのかもしれない、と素人考えでなんとなく納得できました。

絵画作品のほかにオブジェも数多くあり、単純に作品点数が多いと思ったのと、絵画もかなり大きな作品ばかりで、これらを生み出すだけのエネルギーがものすごく強い人だったんだなと感じました。

ノン(Non)

 

生命の樹 全景模型

「犬の植木鉢」
(夢に出てきそう、、、)

 

斬新で数多くの作品の中で「あっ」と思ったのが鉛筆デッサンで描かれた自画像の作品でした。とても柔らかく繊細なタッチで、画家のプライベートを見てしまったような気持ちです。

「自画像」

理解は、、たぶん出来なかったんだろうと思います。でも記憶には確実に残るであろう展覧会でした。

スイス プチ・パレ美術館展(SOMPO美術館)

10月7日金曜日、気になっていたスイス プチ・パレ美術館展に行ってきました。

www.sompo-museum.org

SOMPO美術館に以前行った時は日時予約が必要でしたが、今回は予約不要。混雑具合が心配でしたが平日で雨、急に寒くなった事もあってか案外ゆったり鑑賞できました。

全体的に派手さはないものの、印象派以降に派生した近代絵画の様々な~派、~主義に取り組んできた作家達の作品が並び、私の知識不足もありますが点描と言えばスーラ!キュビズムと言えばピカソ!だけではないんだなと、あらためて新しい技法が作られてきた歴史を垣間見ることができました。

新しい技法を取り入れるにあたって、これ見よがしな極端な表現ではなく丁寧に丁寧に馴染ませているように見えました。そんなさりげなさも魅力的な展示だったと思います。

美術館手前の看板

入口横の写真撮影スペース 雨のせいか誰もいない、、

特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」(東京藝術大学大学美術館)

過ごしやすい季節になり、そろそろ美術展に足を運びたくなりました。
今日は東京芸大美術館の日本美術展へ。

 

tsumugu.yomiuri.co.jp

教科書などによく載っている狩野永徳の国宝「唐獅子図屏風」も見たかったのですが
8月初旬からの開催で途中展示替えがあったため、残念ながら出会えず。
それでも珠玉の美術品がこれでもかと並んでいたことは間違いありません。

全面が蒔絵や貝飾りで作られ金具もひとつひとつ透かし模様になっている棚や
蓋を開いた裏側まで綺麗な模様が入った硯箱や花瓶などの調度品、
花模様が入った料紙に書かれた漢字仮名文字など
細部まで神経がゆきとどいた美しい品々を見ることができました。
絵画だけではなく生活の中で、ほんの小さなものであっても花や小鳥や蝶で飾り
美しいものを取り入れて愛でるのが日本なんだなと思いました。

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絵画も本当に素晴らしかったです。
円山応挙「牡丹孔雀図」、伊藤若冲の「動植綵絵」10幅(芍薬群蝶図、梅花小禽図、向日葵雄鶏図、紫陽花双鶏図、老松白鶏図、芦鵞図、蓮池遊魚図、桃花小禽図、池辺群虫図、芦雁図 ※掛軸は1幅/いっぷく、2幅/にふく、、と数えるのですね)、西村五雲「秋茄子」、星野蝉水「月に亀図」が特に印象に残りました。

tsumugu.yomiuri.co.jp

上に挙げた作品は全て掛軸ですが、サイズが大きいのでとても迫力がありました。
伊藤若冲は良い意味でとんでもない、、ですね。
江戸時代中期、いまから200年以上前に描かれたなんて信じられないくらい現代的、緻密で明瞭、鮮やかな色彩。大らかで大胆な墨絵の作品も良いですが、今回の展示作品の迫力には言葉を失いました。

コロナの制限が緩和されてきたこともあって、かなり混雑していましたが
大好きな日本の美術品を見ることが出来て良かったです。

 

秋分の日」の祝日で国旗掲揚