地方移住のはなし ~ 生活コスト比較

前回、東京から北海道に移住した記事を書きました。
ネットの記事などで「地方は生活コストが安い」という話を見かけたことがありますが果たしてどうだったのか、比較してみたいと思います。

 

前提

まず条件は「ひとり暮らし」で「賃貸アパート」です。そして家賃は定額ですが光熱費は記録が無いものもあったのでひと月毎の大体の平均値です。
立地は東京が23区内で最寄駅まで徒歩5分、北海道では部屋の広さがほぼ2倍ありましたが最寄駅まではバスで40分くらいです。また北海道の家はオール電化住宅だったのでガス代はありません。またわたしは車を所有していません。

 

ひと月にかかった金額

 

 

結果は上記のとおり東京が若干上回る結果となりました。なので「地方は生活コストが安い」はこの点から見ると正しいですね。あとは北海道でオール電化住宅というのが結構厳しい条件だったように思います。2024年度の月ごとの最低料金はエアコンをほぼ使わなかった9月で12,000円、エアコン(暖房)フル稼働だった2月が最高額の19,000円でした。

 

車を所有した場合は・・・

地方での暮らしでは車を保有するかどうかが大きいです。おそらく所有するとなるとガソリン、税金、メンテナンス費用などの維持費だけで年間30~50万円程度かかるようです。仮に車を所有して年間コストを30万円とした場合、1カ月2.5万円がプラスされるので、地方の方がコストがかかる、ということになります。

 

ちなみに北海道のアパートでは駐車場が1台無料でした。北海道の政令指定都市の札幌市だと駐車場代はそれなりにかかりますが私の住んでいた地域では無料駐車場付きアパートが殆どだったと思います。私が住んでいたのは最寄り駅まで果てしなく遠いのとバスの本数もさほど無いので車での移動が常識のような地域だったのです。そこに徒歩で挑んだ私は「どうして車を持っていないの?!」と驚かれるシーンが結構ありました、、、

 

例えば、ある日熱が出て病院に行った時に(コロナ渦はほぼ収まっていた頃です)「熱がある」ことを伝えると病院内に入る事ができず、「まずコロナの検査をするので準備に30分くらいかかります。車の中で待っていてください」と言われました。車は無く徒歩であることを伝えると「え?!」という反応です。これは事前に電話で問い合わせをすれば回避できたと思いますが、体調が良くない状態で屋外のベンチで座って待っていた時間は結構きつかったです。

 

実際の生活で

北海道での部屋が広いという点は快適でした。スペースがあるという事は快適です。これも考え方次第ですが、部屋がひとつだとすぐ手が届くところに何でもあるので動きが少なくて済みますし掃除も楽です。逆に部屋が広いとあちこちの電気を点けたり消したり、朝は不必要に広い部屋の中を走り回って身支度をしていました。

 

生活や仕事の場でも時々「え?!」と思ったり、思われたり/言われたりすることがありました。簡単に言うと「日本語通じる外国」ってくらい文化が違います。そう考えて「まぁ仕方が無いか」と自分を納得させていました。

 

近所で発見したキツネ!ホントにいる!

 

地方移住のはなし ~ 都会と田舎の魅力

2年程前に東京から北海道へ移住してきたことを少し書いてみたいと思います。元々わたしは北海道出身なので「Uターン」と呼ぶのかもしれません。大都市から小さな町に引越して個人的に体験したことから感じたことを綴ります。


地方移住はお勧めかと言うと、正直わかりません。
どちらもメリット/デメリットがあり、強いて言うならば都会と田舎の二拠点生活が理想的なように感じます。シンプルにしたいなら都会の方が暮らしやすいのではないかと思っています。

 

地方のメリット

豊かな自然
自然の中にいると少しの苛立ちがあったとしても「ま、いっか」で済んでしまいます。自然の彩りの美しさや造形は何物にも代えがたい財産だと思います。

 

人が少ない
スーパーのレジ、バス、病院など行列することがありません。人がまばらであることは結構快適です。スムーズです。満員電車で隣の人と密着するということはありません。

 

雑音が少ない
電車や車の音はほとんどありません。大きな道路の近くは音がしますが、それでも全然静かです。夏は虫の声がしますが夜は本当に「シーーーーーン」としています。

 

公共の施設やイベントが格安
都会であれば千円以上かかりそうなものも無料だったり格安だったりします。

 

都会のメリット

医療の充実
一概には言えませんが、量、質ともに都会の方が選択肢が多く、自分に合った医療機関を見つけることができます。

 

交通の便が良い
車を持つ必要がなく電車でどこへでも行けることが、こんなにもありがたいことなのかと痛感しました。

 

時代の空気を感じられる
テレビなどのメディアで取り上げられる話題などはほぼ都会のもの。
目の前の景色とあまりにも違いすぎて見たり聞いたりしても地方に住んでいると他人事になります。たまに都会に行くと「今の時代を生きている」という不思議な感覚。

 

選択肢が多い
医療機関、住宅、スーパー、飲食店、など全てにおいて選択範囲が広いのが都会です。住居も食料品も自分の選択でお金をかけたり節約したり、どちらも可能だと思います。

 

レベルが高い
人が多いということは、それだけ競争が働くということで生産性やサービスのレベルが圧倒的に高いです。競争の必要のない地方で生活をしてあらためて実感しました。

 


わたしが思うそれぞれのメリットはこんな感じです。

 

どちらも良いところがあって、どちらが良いとも言えない。
ただ、雪国では冬の装備(衣類、靴、車のタイヤ、全て本気の装備が必要)や暖房費がかかります。物をあまり持ちたくないわたしにはその点が少し残念ポイントです。なので、雪が積もらないような地方と都会での二拠点生活が理想的なのかなと、ぼんやり考えています。

 

風が強かった日

 

美術館・博物館の事件簿(島田真琴/著)

美術館・博物館の事件簿 島田真琴 (著)

www.e-hon.ne.jp

 

この本を見かけた時「ミステリー小説?」と思ったのですが、書かれているのは美術館や博物館で実際に起きたトラブルや裁判となった国内外の「事件」についてでした。

 

高額な美術品や貴重な資料が整然と並べられ多くの人が集まる華やかな場所のその裏で、何が起こっているのか、起こっていたのか、それはもう、、知りたいに決まってます。

 

全て興味深い内容でしたが、初めに紹介されていたのは日本で起きた事件で、展覧会のために借り入れた作品が返却の時に破損していたというものです。破損、、想像しただけで胸がキューっとなりました。

多少違うところがあるかもしれませんが経緯はざっとこんな感じです。

 ・日本のギャラリーが所有している立体作品(8,400万円で作家から直接取得)
   ↓
 ・ドイツの美術展に貸し出し、展示(3ヶ月間)
   ↓
 ・ドイツの別の美術展に貸し出し、展示(3ヶ月間)
   ↓
 ・所有者が運営しているドイツのギャラリーで展示(4ヶ月間)
   ↓
 ・ドイツから日本の所有者の倉庫に輸送され1年以上保管
   ↓
 ・梱包された状態のまま市立美術館が展示のため借り入れ
  展示前に開梱し破損発見、所有者に報告するが中止指示等なし2ヶ月間展示
   ↓
 ・県立美術館で借り入れ、市立美術館から直接運ばれて展示
  破損が拡大し所有者に報告、修復提案したところ修復方法の意見が対立
  展示はそのまま行われ、修復しないまま所有者に返却
   ↓
 ・所有者が修復を行い、
  修復費587万円+価値低下2,520万円の賠償を求め市と県を相手に訴訟

 

まず本来は美術品の貸し出し、借り入れを行う際は貸主、借主と修復家が引き渡し場所で詳しいコンディショニングチェックを行うそうなのですが、これが今回日本の美術館では行わなかったようなのです。
なので破損がいつ、どのくらいの状態だったのかが客観的にわからない。
彩色が剥がれやすいものだと梱包を解くこと自体が損傷を招くのでそのリスクを考えると、チェックを省略したかったのもなんとなくわかる気がします、、
修復家だって相当専門性が高そうなので、そのジャンルの専門家を見つけるもの大変そうです。
さらに借り入れに際して取り交わした「同意書」の解釈や経年劣化による不可抗力なのか、誰が何に対して責任を持つのかなどを争った事件でした。

 

裁判の結果と共にどのようにすべきだったのか等、完全に理解できたかはわかりませんが複雑に絡み合った内容を法律の専門家がわかりやすく解説されていたので興味のまま読み進めることができました。

 

他にも近年ニュースで聞いたことがあるような「事件」が沢山紹介されていて、ドキドキしたり複雑な気持ちにもなりましたが読み応えのある本でした。

 

てんとう虫発見!

 

瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。(荒木俊哉/著)

瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。(荒木俊哉/著)
という本を読みました。

 

わたしはどちらかといえば話すことが下手/苦手な方ですが、数年前、人前で話したりファシリテーションをする必要があって、その時に「声が小さい」、「全然伝わらない」と不評をいただいたことで一念発起し、話し方の講座を受けました。(今も講座は継続しています)専門の先生に発声や滑舌などの基礎から習って練習した結果、周りの人からも聞き取りやすいと褒められるようになり、原稿読みや朗読は大好きになりました。

 

それなのに。その場で自分の言葉で話そうとすると出てこない。カラッカラです。語彙力が無いから?でも書くのは嫌じゃないし、自分が何も考えていない薄っぺらな人間だから?世の中には「視覚思考者」ってのがいるらしいけど自分はそっちのタイプ?頭の回転が相当遅いんじゃ?と思ったり、言葉に出すトレーニングをしても何か浅いことしか出てこないのは何故?と、モヤモヤしている中、この『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』という本にたどり着きました。

 

この本を読んで、私は話し方の講座で「どのように言うのか」を訓練し一定の成果を得られましたが、「何をいうか」という中身の部分が足りなかったということがわかりました。この本を読んで一番腑に落ちたのはこれです。そういえば書く時も言葉尻とか言い回しに多く気を取られていた気がします。この本では誰でも言葉は自分の中にあり、トレーニングをすることで自分の言葉が出せるようになるという具体的なワークの方法が載っています。

 

取り組みやすいように色んなお題も載っていたので、いくつかワークをやってみたところ、この本を読んで直ちに劇的に変わるわけではありませんが、一日少ない時間で積み重ねていくと月単位、年単位で変わってくるのかなと感じています。いえ、変わったらいいなーという希望かも。

 

庭の花が朝露に濡れて眩しかった、、、



大雪 森のガーデン

9月最初の三連休は北海道上川町にある「大雪 森のガーデン」へ。

大自然に囲まれた道を車で進んだ先には
想像していたよりも規模が大きく美しい風景がありました。
今回は庭の中を散歩するに留まりましたが
レストランとヴィラもあり、いつか泊まってみたいです。

 

こちらが入口。名称の「大雪」は「だいせつ」と濁るらしい。
ちなみに北海道の最も大きな山「大雪山」は「たいせつざん」

 

ワクワク感!

 

たくさんの蝶がゆらゆらと飛んでいました、、、

 

花と緑が青空に映える

 

萩の道

 

最近よく見かけるようになったアメリアジサイアナベル 
外来種?これはこれで良いのだろうか、、

 

なぜか懐かしい感じ

 

ハロウィン?カボチャの飾り付けがチラホラ

 

素敵な小径

 

ゆっくり庭園の中を散歩するには丁度良い気温で
甘く濃厚な草花の香りに癒されました。

かなりの数の蝶が花に群がっていたのは正直言うと
ギリギリ鳥肌一歩手前でしたが
蝶のゆらゆらとした動きを見ているとクラクラして
不思議と引き込まれそうになりました。

蝶の動き方やスピードがいつも自分の世界と違いすぎて
ますます「夢の中みたい、、、」と感じたのかも知れません。

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン(東京ステーションギャラリー)

パナソニック留美術館の次は東京ステーションギャラリーに行きました。こちらも初めて行く美術館です。

 

東京ステーションギャラリー入口
これは入りたくなる!

上の看板の左側 入口スライドショー その1

入口スライドショー その2

入口スライドショー その3

 

ジャン=ミッシェル・フォロン(1934~2005年)はベルギーのアーティストです。「空想旅行案内人」とは本人が名刺に「FOLON: AGENCE DE VOYAGE IMAGINAIRE」と書いていたもので、実際の名刺を拡大したものが最初に展示されていました。自分で名乗るとは、、素敵!

 

「空想旅行案内人」のフォロンですが、「色彩の魔術師」でもあり本当に色が綺麗で数多くある水彩画にはうっとりです。どうやったらこんなに綺麗なグラデーションになるのかと!制作風景で手元を映した映像がありましたが、思わず見入ってしまいました。

 

そして今日2回目の「Less is more」の言葉を目にすることになりました。フォロンも建築家ミース・ファン・デル・ローエの言葉に影響を受け、初期のペンだけで描かれたドローイングではシンプルに削ぎ落とされた親しみやすい作品を見ることができました。「Less is more」は世間に多大な影響を与えていたのですね。

 

帰り際に気が付いたのですがチラシがなんと3種類ありました。

チラシが全部で3種類!

チラシその2

チラシその3

勢いで3つ記事を書きました。楽しいお休みでした!

ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム(パナソニック汐留美術館)

8月4日日曜日、まずは汐留のパナソニック美術館へ。

パナソニック株式会社のオフィスビルの中にあり、ビル入口からエスカレーターで4階へ。途中「オフィススペースのため撮影禁止」という注意書きも見られました。

 

地下通路の看板。
この辺りは新しくて綺麗ですね。

 

デンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルム(1929-1980年)を特集した美術展。アーティゾン美術館では美術作品と空間をみてきましたが、パナソニック留美術館では家具のある空間へ!

 

会場内では椅子やテーブルなどが台座の上に展示され、目線近くになって見やすかったです。割と点数が多いのでもう少し広い会場で観たいような気も。展示物には触れることができませんが、最後にポール・ケアホルムがデザインした椅子数点に実際に座る事ができるコーナーがありました。デザインが美しいだけではなく座りやすく、さらに座った時にどのように壁や天井を見ることができるのか、そして見た目も洗練されている。やはり名品と呼ばれるものは理由があるのですね。

 

「時代を超えたミニマリズム」というタイトル。最近よく目にする「ミニマリスト」と言えば必要最低限の物しか持たない人のことですが、ミニマリズムとはなんぞや、とふと考えてしまいました。ミニマリズムに「美」はあれど、私が思うミニマリストに「美」はあるのか、何もない空間の「美」も確かにあるけれど、なんかちょっと違う、合理的に近いのか、本質は何でしょう、、自分なりに考えてみたいようなお題です。

 

「Less is more」とは20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉 「少ないほうが豊かである」という意味だそうです。入口で椅子研究家の織田憲嗣氏が解説されている動画で「Less is more」とお話しされていて、「へえー」と思ったのですが、今日もう一度同じ言葉を目にすることに、、、